結核に対し免疫を作り、予防する目的で接種を行うワクチンです。
定期予防接種のため、定期予防接種期間内であれば自己負担なしで接種が受けられます。
他のワクチンと異なり、スタンプ式の注射(ハンコ注射)で接種をします。ハンコ注射を使用するのは皮膚の内側である皮下ではなく、皮膚の表面に近いところの皮内に注射するためです。皮内には樹状細胞と呼ばれる免疫細胞があり、免疫がつきやすいと言われています。
BCGワクチンは全部で1回のみの接種です。定期予防接種のため、自己負担なしで接種を受けることができます。
●一般的なスケジュール
1回目:生後5か月~8か月になるまでの間
定期接種の可能な期間は、0歳~1歳までの間とされていますが、病原体となるウイルスや細菌の毒性を弱めた生ワクチンのため、2~3カ月のような早い段階だと副作用も大きくなります。また、生まれつき免疫がたいへん弱い先天性免疫不全症の赤ちゃんには接種できません。先天性免疫不全症の診断がつけにくいこともあり、生後3か月未満での接種はおすすめできません。
地域によって推奨される接種のタイミングが異なっていたり、集団接種での実施がされていたりすることがあります。横浜市にお住まいの方は、個別接種で生後5か月~8か月を目安に接種が推奨されています。当院でも接種を行っておりますので、ご予約してご来院ください。
9本の細かい針を皮膚に押し付けるタイプのはんこ注射になります。その部位は乾くまで触らないようにしてください。
接種を行ってから2~3週間後に、接種の部位が腫れて膿みが出てくることがあります。しかし数か月で自然治癒しますので、塗り薬や貼り薬の使用は行いません。また割合は1%未満ですが、接種してから1~2か月後ほどで脇の下のリンパが腫れてくることがありますが、正常な免疫反応なので自然に治癒します。また、こどもが先天的免疫不全症を発症していた場合に菌が全身に広がってしまう場合があります。
●コッホ現象について
BCGワクチンを接種してから3~10日後に接種部位に赤みをともない、膿んできた場合は接種前から結核に感染していた可能性が高まります。これをコッホ現象と言い、ワクチンによる副作用ではありません。そのため、なるべく早くワクチンの接種を行ったクリニックへ受診をしてください。