一般的に言われるとは病気の名前ではなく、かぜ症候群と呼ばれる症状をまとめて指す言葉です。くしゃみや鼻水、発熱や喉の痛みなどこれらの症状をまとめて風邪症候群と呼びます。主にウイルスが鼻や喉の奥の粘膜に感染をして炎症を起こすことが原因で症状を引き起こし、原因となるウイルスの種類が様々あることも特徴です。ウイルスが原因となるため、いわゆる特効薬のようなものがなく、症状を抑える薬を使ってウイルスが体外に排出されるのを待つことが基本的な治療になります。
かぜ(風邪)の症状は、主に
が見られます。
また、低年齢の子どもの場合、高熱が出た際に熱性けいれんを引き起こすこともあります。熱性痙攣は、ぼーっとして意識がなくなったり、体をそらすように背中や四肢をピンと張ったり、手足をガクガク震わせる、顔色が悪くなるといった症状を示します。慌てず様子をしっかりと見て、早急に医療機関に相談するようにしましょう。
風邪の原因のほとんどはウイルス感染であると言われており、かぜの80%から90%がウイルスによるものといわれています。残りのものについては、細菌やマイコプラズマなどウイルス以外による感染が原因です。
風邪を引き起こすウイルスは200種類以上もあると言われています。
原因となる主なウイルスには、ライノウイルスやヘルパンギーナ、手足口病、アデノウイルス、 RS ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、エンテロウイルス、インフルエンザウイルスなどがあります。ウイルスの種類によっては鼻やのどの呼吸器症状だけに限らず結膜炎や嘔吐、下痢、皮疹を引き起こすものもあります。
一度感染したことがあるウイルスに免疫ができたとしても、新しいウイルスに感染することも多いくため、繰り返し風邪をひくことも少なくありません。子どもは免疫力が整っていないため、風邪をひきやすい熱を出しやすいと言われますが、それだけ多くの種類のウイルスがかぜ症状の原因となっているため、仕方ない部分もあります。子どもは繰り返し風邪をひきながら、抗体を作っていきウイルスや細菌に対する抵抗力を獲得していくということですね。
ウイルスが原因となっているため抗菌薬は効果がなく、いわゆる特効薬のようなものはありません。治療は、症状を和らげる対症療法が主な治療法となります。発熱がある場合は体の免疫機能が頑張ってウイルスに対抗しようとしているという証拠ですので、どんな場合でも熱を下げるために解熱剤を使うというのは避けるようにしましょう。熱が高くてつらそう、関節が痛い、と言ったような場合には必要に応じて熱鎮痛剤を使用していきます。
また風邪をひくと鼻水がよく出ますが、こまめにとってあげるようにしてください。放置していると鼻の中でウイルスや細菌が増えていき、中耳炎を引き起こすこともあります。低年齢の子どもの場合、自分で鼻をかむということが難しいこともありますので、吸引器を使ったり、小児科を受診したりして鼻水を吸い出してもらうようにしましょう。
繰り返しになりますが風邪の特効薬はありません。風邪を引いたからといって抗生物質を使用するとより強いウイルスを生み出してしまうこともあります。症状を医師に相談して、一緒に対応方法を考えるようにしてください。
食べ物について、症状がくしゃみや鼻水程度であれば通常通りのお食事をあげるようにしてください。ただし喉が腫れたり、痛みが強いといった場合には、酸味や辛味のあるもの、熱すぎるものや冷たいものなどは避けてのどごしの良いゼリーやプリン、柔らかく煮たうどん、ヨーグルトなどを少量ずつ食べさせてください。
症状のある時はくしゃみや鼻水などに含まれる飛沫に注意しましょう。唾液や鼻水にはウイルスが多く含まれるため、それらを触った手で目や鼻、口などの粘膜を触ると感染が広がってしまいます。食器はもちろんです、タオルなどの共用も極力避けて感染を広げない対策をしていくことが大事です。