でべそは臍ヘルニアという病気で、おへそから腸が外に出ている状態で、生後1ヶ月ごろからおへそがぷっくりと外に出るのが特徴です。大きいものでは、3~4㎝程度の大きさになることもあります。成長するにつれて、自然に回復していくこともありますが、1~2歳ごろまででべそが治らない場合は、手術が必要になることもあります。
腸はお腹の中で、内側から腹膜、腹壁筋、皮膚の3つの層で守られています。おへそは母体とへその緒で繋がっていた器官ですので、栄養を受け取るためにこの腹膜筋にゆとりがある状態になっています。腹壁筋が成長することで、おへそは自然に閉じていきますが、腹壁筋が未発達な場合に腸がおへそから脱出することで、でべその状態になります。いつもでべそが見られる場合や、いきんだときや泣いた時など腹圧がかかると、一時的に腸が脱出してでべそになることもあります。一時的にでべそになる場合は、押し込むことででべそが治ることもありますが、繰り返すようであれば受診することをおすすめします。
でべそを圧迫して、腸を正常な位置に戻す圧迫療法を行って治療していきます。当院では綿球(丸めた綿)を使って、脱出している腸を圧迫しておへそから腸を戻していきます。綿球を当てて、専用のテープを使って腹圧がかかっても外に飛び出ないようにします。長期間張ったままにしておくと、かぶれることもあるので1週間に1回は交換するようにします。
でべそは生後3~4か月までに治療を開始すると、治癒率が高くなると言われています。また、綿球の大きさも出べその程度によって、適切な大きさにしていくことが必要な治療です。
でべそは放っておくと、腹壁筋が成長して脱出した腸が締め付けられる嵌頓(かんとん)という状態になることがあります。嵌頓を起こしてしまうと、痛みを引き起こしたり、腸が壊死する可能性もあり、手術が必要になります。手術が必要な場合は、専門の医療機関を紹介します。早めに治療開始をすることで、症状の改善が期待できますので、おへそのふくらみが見られる場合には、お早目にご相談ください。